オアシスマネジメント、デジタルガレージへの投資と株主提案

オアシスマネジメント、デジタルガレージへの投資と株主提案──その狙いと企業の未来を読み解く

はじめに

2025年3月6日、香港を拠点とするアクティビストファンド オアシスマネジメント が、日本の デジタルガレージ(証券コード:4819) の株式保有比率を 16.42% から 17.57% に引き上げた ことが明らかになった。

この動きは、市場に大きなインパクトを与え、デジタルガレージの今後の経営戦略に注目が集まっている。

オアシスマネジメントは、企業の成長性を評価しながら、積極的に経営に関与するスタイルを持つことで知られるアクティビストファンドだ。

今回の買い増しは、単なる投資拡大ではなく、同社の戦略的な意図が見え隠れする。

また、同社は デジタルガレージの企業構造の変革を求める株主提案 を行っており、その内容も注目に値する。

では、なぜこのタイミングでデジタルガレージの株式を買い増したのか?

そして、デジタルガレージの成長ポテンシャルとオアシスマネジメントの株主提案の狙いは何か?

この記事では、オアシスマネジメントの投資戦略とデジタルガレージの未来を徹底分析する。


オアシスマネジメントの戦略的背景

アクティビストファンドとしての特性

オアシスマネジメントは、企業価値向上を狙う投資戦略を展開することで知られる。

通常の投資ファンドとは異なり、同社は投資先企業に積極的に関与し、株主提案や経営改革を求めるアクティビスト(物言う株主) としての側面を持っている。

過去には、日本の複数の企業に対して経営改善を求める株主提案を行い、一定の成果を上げてきた。

今回のデジタルガレージへの追加投資も、単なる株価の短期的な上昇を狙ったものではなく、経営に影響を与え、より高い企業価値を実現する狙い があると考えられる。


オアシスマネジメントの株主提案──企業分割と資産売却の狙い

オアシスマネジメントは、デジタルガレージに対して以下の具体的な株主提案を行っている。

1. 事業分割(スピンオフ)の実施

デジタルガレージの フィナンシャルテクノロジー(FT) セグメントと マーケティングテクノロジー(MT) セグメントを分離し、新たに 「DGフィナンシャルテクノロジー」 を設立することを提案。
決済代行事業の成長をさらに加速させる狙い

2. 投資事業の独立化

投資事業を「DGインベストメンツ」として再編し、スタートアップやベンチャー投資に特化。
各事業の専門性を高め、より効率的な運営が可能になる

3. カカクコム株式の完全売却

デジタルガレージが保有する カカクコム(価格.com、食べログ運営企業) の全株式を売却し、その資金を株主還元や新規投資に充てることを提案。
売却により2025年の税前利益が68億円増加し、株価は94%上昇すると予測

この提案の背景には、デジタルガレージの経営効率を高め、資本の最適化と企業価値向上を図る意図 がある。特に、フィナンシャルテクノロジー事業の独立によって、より大きな成長を狙えると考えられている。


デジタルガレージの将来性

オアシスマネジメントが投資を強化した背景には、デジタルガレージの持つ成長ポテンシャルがある。

1. 新たな中期経営計画

デジタルガレージは 2023年を初年度とする新たな中期経営計画を策定し、企業の成長戦略を明確にしている。

2. EC市場への本格参入

2024年には、新会社 「DGコマース」を設立し、ECサイト構築・運営事業を開始。
決済プラットフォームとの連携でEC市場のシェア拡大を目指す

3. 後払い決済(BNPL)市場への参入

近年成長を遂げている「BNPL(Buy Now, Pay Later)」市場 に本格参入を計画。
決済インフラと統合し、EC事業者向けに柔軟な決済手段を提供

4. 戦略的パートナーとの協業

りそなグループ、KDDIグループと資本業務提携を結び、新たなフィンテックサービスの共同開発を進行中。
モバイル決済やデジタルバンキング領域での事業展開が加速する見込み


市場への影響と今後の展開

株価の動向

オアシスマネジメントの株式買い増しが明らかになった直後、デジタルガレージの株価は 3日連続で上昇し、投資家の期待感が高まっている。

一方で、アクティビストファンドの関与にはリスクも伴うため、今後の株主総会や経営陣の対応が注目される。

デジタルガレージの対応

現在のところ、デジタルガレージの経営陣は慎重な姿勢を維持している。


事業分割や資産売却の提案にどう対応するかが今後の焦点となる。


まとめ

オアシスマネジメントのデジタルガレージ株式の買い増しと株主提案は、企業構造の改革と資本効率の向上を促す狙いがあると考えられる。

デジタルガレージは決済事業・EC事業・フィンテック領域での成長が期待されるが、その一方でアクティビストの介入による経営方針の変化が注目される。

今後の展開次第では、企業のバリューアップが進む可能性があり、投資家にとっても重要な局面となるだろう。

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