G-FACTORY株式会社 2024年度有価証券報告書

1. はじめに

G-FACTORY株式会社(グロース市場上場)は、2024年12月期(第22期)の有価証券報告書を公表した。

同社は、飲食業を中心としたサービス業向けに経営支援を提供する「経営サポート事業」と、鰻料理を主力とする「名代 宇奈とと」を中核とする「飲食事業」の2本柱で事業を展開する。

2024年度の決算は、売上高が過去最高を更新し、経常利益も黒字化。しかし、のれん減損などの特別損失が重く最終赤字となった。

インバウンド需要の回復が追い風となる中、資本効率とブランド価値の再構築が求められている。以下、本報告書をもとに、事業セグメント別の分析および将来見通しについて詳細に論じていく。

2. 連結業績サマリー(2024年12月期)

  • 売上高:63.5億円(前年比 +13.4%)
  • 営業利益:▲0.21億円(前年:▲0.39億円)
  • 経常利益:0.17億円(前年:▲0.65億円)
  • 純損失:▲3.33億円(前年:▲1.94億円)

利益面では改善が見られたが、依然として最終赤字が継続。構造的な収益性の強化が求められる局面にある。

3. セグメント別分析

経営サポート事業

  • 売上高:28.96億円(前年比 +8.6%)
  • 営業利益:4.5億円(前年比 +5.2%)

経営サポート事業は、店舗の出退店支援や内装・設備導入など、飲食店の成長と撤退の両局面を支援する機能を持つ。特に2024年度は、外国人材紹介サポートの需要が拡大し、営業利益の増加に寄与した。

今後は、ミャンマー・インドネシアなどからの人材導入支援が、中長期的な差別化要素となる可能性がある。

飲食事業

  • 売上高:34.5億円(前年比 +17.8%)
  • 営業利益:0.95億円(前年比 +326.9%)

「名代 宇奈とと」ブランドの好調を背景に、国内外での出店拡大が収益を押し上げた。とくに、インバウンド需要の高まりによる観光地店舗(上野・浅草など)の売上が際立った。

ただし、不採算店舗の固定費が利益を圧迫。今後はブランド戦略と店舗選定の精度向上が鍵となる。

4. 財務状況と資本戦略

  • 総資産:43.7億円(前年:45.6億円)
  • 純資産:14.6億円(前年:17.3億円)
  • 自己資本比率:31.5%
  • 現金および現金同等物:14.5億円

財務面では、減損損失(4.2億円)を特別損失として計上し純資産が減少したが、現預金水準は安定しており資金繰りの悪化は見られない。営業CFは2.5億円のプラスを確保。

減損処理の背景には、国内不採算店舗の見直しがあるとみられ、資産のスリム化による資本効率向上が狙いと見られる。

5. 経営戦略と注目ポイント

外食支援の“プラットフォーマー”へ進化できるか

経営サポートと飲食運営を融合した独自の収益構造を有するG-FACTORYにとって、単なる不動産仲介ではない“飲食業の仕組み支援業”としてのポジション確立が急がれる。

人材紹介・海外出店支援・調達支援など、バリューチェーン全体を掌握する力が今後の企業価値を決める。

海外展開と和食ブランド戦略

「宇奈とと」のライセンス展開を海外に拡大する中、食材調達・運営体制・ブランド価値の維持といった課題は顕在化しつつある。

競合の少ない和食領域において、ローカル適応と職人文化の継承をどう両立するかが今後の焦点だ。

中核ブランドの整理と強化

営業利益は飲食事業でも黒字を確保したが、赤字店舗の固定費負担は依然として重い。

ブランド別の収益管理と戦略的なスクラップアンドビルドが必要な段階に来ている。

6. 論評社としての視点

G-FACTORYの決算は、売上成長・営業黒字化といった明るい要素を含みながらも、「純損失継続」「減損処理」「資本減少」といった重たい現実を映し出している。

とりわけ、急速な店舗展開とその収益性の乖離が、経営バランスを崩す要因となっている。

一方で、飲食業界が慢性的な人材不足にある中で、G-FACTORYの外国人材支援ノウハウや“飲食店支援総合業者”としての地位は光るものがある。

ここからの復調には、「選択と集中」による事業の絞り込みと、収益性を重視した店舗戦略の実行が不可欠だ。

中核ブランドを磨き、プラットフォーマーとしての地位を築けるか——その命運は、2025年度の戦略実行にかかっている。

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