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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE決算分析論評編集部公開 2025.05.02更新 2026.06.13

ジェリービーンズグループ【決算分析】

ジェリービーンズグループは2025年1月期まで9期連続の純損失を計上し、売上高は2021年1月期比で約65%減縮した。財務活動による資金調達で手元流動性を補う構造が固定化しており、自力での資金創出能力が実質的に機能していないと見るのが自然だ。

売上高(2025年1月期)
8億3,100万円
前年比 −9.6%
営業損失(2025年1月期)
▲5億1,900万円
5期連続赤字
自己資本比率(2025年1月期)
27.1%
2021年比 +22.4pt
期末現金残高(2025年1月期)
2億6,500万円
2021年比 −6億200万円

出典:ジェリービーンズグループ(旧アマガサ)各期有価証券報告書・決算短信をもとに論評編集部が整理。

第1章

3期推移:縮小均衡から抜け出せない売上構造

売上高は5期にわたり一貫して減少している。2021年1月期から2025年1月期にかけての累積減少率は約65%に達し、特に2022年1月期(前年比−34.2%)および2024年1月期(同−34.0%)の2段階で急落した。直近の2025年1月期は減少幅が−9.6%とやや鈍化しているが、縮小基調からの反転を示す材料は確認できない

決算期 売上高 前年比
2021年1月期 23億8,500万円
2022年1月期 15億6,800万円 −34.2%
2023年1月期 13億9,400万円 −11.0%
2024年1月期 9億1,900万円 −34.0%
2025年1月期 8億3,100万円 −9.6%

出典:各期決算短信・有価証券報告書(論評編集部集計)。

利益面では2025年1月期に営業損失5億1,900万円、経常損失5億3,200万円、純損失5億2,000万円を計上した。営業損失・経常損失はともに5期連続の赤字であり、損失幅は売上高規模を大きく上回っている。

種別 金額(2025年1月期)
営業損失 ▲5億1,900万円
経常損失 ▲5億3,200万円
純損失 ▲5億2,000万円

出典:2025年1月期決算短信(論評編集部整理)。

第2章

利益の質:営業損失が売上高の6割超を占める構造

2025年1月期の営業損失(5億1,900万円)は、同期売上高(8億3,100万円)の約62%に相当する。売上高が縮小する一方で損失額が高止まりしており、収益構造そのものに根本的な歪みが生じていることを示している。材料費や円安によるコスト増加が収益性改善の障害として明示されており、EC販売へのシフトや不採算店舗撤退といった施策の効果が損益に反映されていない状態が続いている。

純損失は2025年1月期を含む9期連続で計上されており、累積欠損の拡大が財務体質を継続的に侵食してきた経緯がある。

第3章

キャッシュフローとの整合:自力創出ゼロ、財務依存が固定化

2025年1月期のキャッシュフロー構造は、営業活動による支出が−6億2,100万円に対し、財務活動による収入が+5億7,400万円という対照的な構図を示している。投資活動は−100万円にとどまり、実質的に営業赤字を外部調達で補填する構造が固定化している。

区分 金額(2025年1月期)
営業活動CF ▲6億2,100万円
投資活動CF ▲100万円
財務活動CF +5億7,400万円
期末現金残高 2億6,500万円

出典:2025年1月期決算短信(論評編集部整理)。

期末現金残高は2021年1月期末の8億6,700万円から2億6,500万円へと約70%減少した。財務活動による資金手当てが継続しなければ、手元流動性の維持が困難になる水準にあると見るのが自然だ。

第4章

財務と資本調達:自己資本比率の改善は縮小の裏返し

自己資本比率は2021年1月期の4.7%から2025年1月期の27.1%へと+22.4ポイント上昇した。しかしこの改善は、総資産が13億7,200万円から6億2,800万円へと約54%縮小したことと、第三者割当増資による累計32億円の資本調達を背景とするものである。自己資本比率の上昇を財務健全化の証左と単純に読むことはできない

財務指標 2021年1月期 2025年1月期 変化
自己資本比率 4.7% 27.1% +22.4pt
純資産額 2億600万円
総資産額 13億7,200万円 6億2,800万円 −54.2%

出典:各期有価証券報告書(論評編集部集計)。

第三者割当増資による追加資本調達が検討されており、既存株主の持分希薄化リスクが継続的に存在する点は、資本構造を論じる上で外せない要素である。

第5章

論点の整理

本分析を通じて浮かび上がる論点は以下の3点である。

論点① 売上減少の底打ちはいつか
5期連続の売上減少は2025年1月期にやや鈍化しているが、EC販売強化・店舗削減・新規事業(SDGs関連・スポーツアパレル)がいずれも収益化の目途を示せていない。どの事業軸で売上の下げ止まりを確認するかが最初の観測点となる。
論点② 財務活動依存はいつまで持続可能か
営業CFが−6億2,100万円に対し財務CFが+5億7,400万円という構図は、自力での資金創出が実質的に機能していないことを示す。手元現金の減少ペースと追加調達の時期・条件が、経営継続の鍵を握る。
論点③ 第三者割当増資の継続的実施がもたらす資本構造の変容
累計32億円の増資調達は財務破綻を回避してきた一方、追加調達が続けば持分希薄化が加速する。純資産2億600万円に対して毎期5億円超の損失が出る現状では、資本の消耗速度が問われる局面に入っていると見るのが自然だ。

論点は論評編集部による構造分析。個別企業の将来業績を保証するものではない。

論点 → 質問状

次の決算で確認すべき問い

①売上高の減少幅がさらに縮小または反転したか。②営業CFがプラスに転じる兆候はあるか。③追加の第三者割当増資の実施・条件・規模はどうなったか。これら3点を次期決算短信および適時開示で継続して追う。

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