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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2025.06.19更新 2026.06.13

Athos Capital、ヘリオス株25.63%維持

アトス・キャピタルは2025年6月4日に625万株超を売却しながら、翌6日に新株予約権の行使で300万株を取得し、保有割合25.63%を維持した。「売却と希薄化補填の同時進行」という構造的動態を、継続的に注視する局面にあると見るのが自然だ。

保有割合
25.63%
変更なし
売却株数(6/4)
6,255,500株
市場内売却
取得株数(6/6)
3,000,000株
新株予約権行使
報告種別
変更報告書
2025年6月11日提出

出典:アトス・キャピタル・リミテッド提出の大量保有変更報告書(2025年6月11日)をもとに論評編集部が整理。

第1章

サマリー

報告者
Athos Capital Limited(アトス・キャピタル・リミテッド)
対象銘柄
株式会社ヘリオス(証券コード:4593)
報告種別
変更報告書
提出日
2025年6月11日
保有割合
25.63%(変動なし)
主な変動①
2025年6月4日:市場内にて6,255,500株を売却(発行済株式の5.35%相当)
主な変動②
2025年6月6日:新株予約権の行使により3,000,000株を市場外で取得(1株あたり180円)
残存新株予約権
約1,245万株相当(約12.4%分)を引き続き保有
保有目的(記載ベース)
報告書記載の目的に基づく保有(詳細は第4章参照)

出典:同変更報告書記載の数値を転記。「記載ベース」は提出者の自己申告による。

第2章

【提出者】アトス・キャピタルとは

アトス・キャピタル・リミテッドは2011年に設立された香港拠点の資産運用会社である。運用スタイルとしては、東証グロース市場銘柄を対象に、低価格での新株予約権取得→株式転換(希薄化)→市場売却という一連のスキームを通じたキャピタルゲイン追求が知られてきた。

日本の開示ルールの範囲内で取引を行いつつも、市場参加者の間では「過度な希薄化リスク」や「発行体資本政策への影響」として注視される存在として位置づけられてきた。保有割合25.63%という水準は、継続的に主要株主として機能する規模であり、その動態は発行体の資本構成そのものに直結する。

出典:変更報告書の提出者情報および旧記事の記述を参照。個人名は本文中に表示しない(論評編集部方針による)。

第3章

取得の構造

今回の変更報告書が示す最大の特徴は、売却と新規取得が2日間で連続して実施されている点にある。

日付 行為 株数 手段 単価
2025年6月4日 売却 ▲6,255,500株 市場内
2025年6月6日 取得 +3,000,000株 新株予約権行使(市場外) 180円/株

出典:変更報告書の取引明細をもとに論評編集部が作表。単価は報告書記載値。

この一連の動きにより、保有割合は25.63%で据え置かれたが、その内訳は「現物持高の縮小」と「新規発行株による補填」という対極的な要素の組み合わせである。市場内で既存株を売却しつつ、発行体が新たに発行する株を低廉な行使価格で引き受けることで、発行体の既存株主持分の希薄化と、ファンドのキャッシュ回収が同時に成立する構造となっている。

さらに、報告書上では約1,245万株相当(発行済株式の約12.4%分)の新株予約権が残存しており、今後も同様の行使・売却サイクルが継続し得る状況にある。

第4章

論点の整理

本件変更報告書が提起する論点を、以下の三点に整理する。

論点①:資本政策の実効性
ヘリオスはiPS細胞技術を活用した再生医療バイオベンチャーとして資金先行型の経営を継続してきた。治験の長期化・赤字常態化により外部調達依存度が高く、新株予約権による調達はその構造的必然である。ただし、継続企業の前提に関する注記が付される局面もあったとされており、調達の持続可能性と既存株主保護のバランスが問われる。
論点②:希薄化リスクの累積
今回の行使後もなお約12.4%分の新株予約権が残存する。行使が繰り返されるたびに発行済株式数が増加し、既存株主の持分価値に影響が及ぶ構造は継続中である。開示情報から将来の行使タイミングと規模を継続的に確認することが重要となる。
論点③:ガバナンスへの問い
市場内売却と同時並行で新株を引き受けるスキームは法的に適法な開示のもとで行われているが、「誰が誰のために資本を調達しているか」という問いは残る。発行体のガバナンス体制と取締役会の意思決定プロセスが、市場参加者にとって可視化された形で示されているかを確認する視点が求められると見るのが自然だ。

出典:変更報告書記載の情報および旧記事の論点整理をもとに論評編集部が構成。

論点 → 監視

この保有を、どう追うか

変更報告・追加取得の有無を継続して記録する。残存する約1,245万株相当の新株予約権の行使動向、および保有目的に動きがあれば、企業カルテに反映する。

企業カルテで追う →

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