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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE決算分析論評編集部公開 2025.08.01更新 2026.06.13

決算分析/株式会社CaSy

株式会社CaSyは、2025年5月期中間(連結)において営業・経常・最終の三段階すべてで黒字を計上し、上場後初の連結中間決算として収益構造の確立を示した。自治体連携の拡大とM&Aによる事業領域の水平拡張が続くなか、黒字水準の持続性と新規事業の収益貢献がこれからの焦点になると見るのが自然だ。

売上高(中間期・連結)
898百万円
初の連結計上
営業利益
13百万円
黒字化達成
経常利益
16百万円
一貫した利益創出
自己資本比率
41.4%
財務基盤を維持

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)

第1章

3期財務推移

旧記事が開示するのは2025年5月期中間(連結)の単一期間であり、複数期の比較数値は記載されていない。したがって本章では当該中間期の主要財務指標を整理するにとどめる。注目されるのは、営業利益・経常利益・親会社純利益のすべてがプラスに転じた点であり、継続赤字が常態化しやすい家事代行スタートアップにおいて、テック主導の運営が損益分岐点の突破に寄与したことを示している。

指標 2025年5月期中間(連結)
売上高 898百万円
営業利益 13百万円
経常利益 16百万円
親会社純利益 9百万円
自己資本比率 41.4%
現預金残高 341百万円

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)

第2章

セグメント・事業構成

CaSyは依頼から支払い・評価までをオンラインで完結させるプラットフォームを基盤に、家事代行・料理代行を主力サービスとして展開してきた。2025年2月にはすっきりマイスター社を15百万円で子会社化し、ハウスクリーニング事業を新たに内包した。これにより報告期間内に連結の範囲が拡大し、専門性の高い清掃スキルを持つ領域が加わった形となる。のれん22百万円が計上されており、5年均等償却が行われる。

また、豊島区・国分寺市との子育て家庭支援事業を実施するほか、2025年5月末時点で東京都内5自治体と連携交渉中であることが報告書に記載されている。BtoCを起点としつつ、BtoG(行政)への販売チャネルが並存するサービス構成となりつつある。

主力事業
家事代行・料理代行(オンラインマッチング型)
新規領域(M&A)
ハウスクリーニング事業(すっきりマイスター社を2025年2月に子会社化、取得価額15百万円)
のれん計上額
22百万円(5年均等償却)
行政連携実績
豊島区・国分寺市(子育て家庭支援事業)
連携交渉中
東京都内5自治体(2025年5月末時点)

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)

第3章

キャッシュフローとの整合

営業CFは+17百万円と営業利益13百万円を若干上回っており、損益とキャッシュの方向性が一致している。投資CFは▲16百万円で、主に無形資産取得に充当された。財務CFは+51百万円で、長短期借入による調達が主因とされている。

三区分の合算により現預金が341百万円まで積み上がった。M&Aの取得コスト15百万円が自己資金内で完結している点は、エクイティ希薄化を抑制しつつ事業拡張を進めた構造として読み取れる。

CF区分 金額 主な内容
営業CF +17百万円 営業黒字の反映
投資CF ▲16百万円 主に無形資産取得
財務CF +51百万円 主に長短期借入による調達
現預金残高 341百万円 期末時点

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)

第4章

財務と資本構成

自己資本比率は41.4%を維持している。財務CFがプラス51百万円と相応の借入増加を示す一方、現預金が341百万円まで積み上がった点から、手元流動性は確保されていると確認できる。有利子負債の詳細な残高は旧記事に記載がないため、ここでは記載ベースの情報にとどめる。

キャスト(スタッフ)の正社員化による人材安定供給を差別化要因として掲げており、人件費構造が今後の利益率に与える影響は継続的な確認が必要な論点となる。

自己資本比率
41.4%
現預金残高
341百万円
配当・株主還元方針
旧記事に記載なし

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)

第5章

論点の整理

中間期単体で三段階黒字を達成したCaSyだが、構造的に確認すべき論点は以下の3点に整理できると見るのが自然だ。

第一に、自治体連携の収益構造への反映速度である。東京都内5自治体との交渉が続いているが、行政案件は意思決定に時間がかかりやすく、売上への貢献が本格化する時期・規模は現時点では不明確なままである。

第二に、M&Aによって拡張した新規事業のLTV回収効率である。のれん22百万円(5年均等償却)の計上に対し、ハウスクリーニング事業がどの程度の収益貢献を果たすかは今後の開示を待つ必要がある。取得コストが自己資金内で完結している点は規律あるアプローチを示すが、統合後の顧客単価・継続率についてのデータは旧記事に記載がない。

第三に、プラットフォーム競争優位の持続可能性である。オンライン完結型マッチングとキャスト正社員化による品質保証体制は差別化要因として記載されているが、類似モデルを採用する競合との優位性を維持するためのUI・UX投資や人材管理体制への継続投資が求められる。投資CFが無形資産取得に向かっている点はその方向性と一致するが、中期的な投資水準は現時点では判断できない。

論点 → 質問状

この決算を、どう追うか

自治体連携の契約件数・売上貢献の開示動向、ハウスクリーニング事業の単独収益開示の有無、ならびに有利子負債の残高推移を継続して記録する。黒字の持続性と新規事業の定着状況に動きがあれば、企業カルテに反映する。

出典:株式会社CaSy 2025年5月期中間期 決算報告書(連結)、本文記載の論点は編集部による構造整理

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