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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2025.09.26更新 2026.06.13

ロング・コリドーがスターシーズ株を28.55%保有

香港拠点の投資会社ロング・コリドー・アセットマネジメントが、第三者割当増資による新株予約権引受を主軸に、スターシーズ株式会社の発行済株式の28.55%を取得した。資金調達・株式取得・貸借スキームが複雑に絡み合う構造であり、中小型株市場における資本政策の脆弱性を示す事例と見るのが自然だ。

保有割合
28.55%
発行済株式比
保有株数
2,300,000株
普通株+新株予約権行使分
報告種別
大量保有報告書
報告義務発生日:2025年9月18日
保有目的
純投資
記載ベース

出典:大量保有報告書(提出日2025年9月19日、報告義務発生日2025年9月18日)をもとに論評編集部が整理。

第1章

サマリー

提出者
ロング・コリドー・アセットマネジメント(Long Corridor Asset Management Limited)
対象銘柄
スターシーズ株式会社(証券コード:3083・東証スタンダード)
報告義務発生日
2025年9月18日
提出日
2025年9月19日
報告種別
大量保有報告書
保有株数
2,300,000株(発行済株式6,056,800株)
保有割合
28.55%
保有目的
純投資(報告書記載ベース)
取得方法の概要
普通株式の市場外取得(借株含む)+第三者割当による新株予約権引受

出典:大量保有報告書(2025年9月19日提出)記載内容をもとに論評編集部が整理。

第2章

ロング・コリドー・アセットマネジメントとは

ロング・コリドー・アセットマネジメントは2018年設立、香港セントラルに拠点を置く投資会社である。アジア新興企業や中小型株への投資運用を事業内容とし、東京丸の内にも拠点を設けて国内上場企業への直接投資を展開している。

運用面では、複数の投資ファンド(LCAO、MAP246、BEMAP)との投資一任契約を通じて資金を機動的に配分する体制を持つ。今回のスターシーズへの取得もこの枠組みを通じて実行されている。報告書上の保有目的は「純投資」と記載されているが、取得形態は市場外取引にとどまらず、発行会社との直接的な資本取引を含む点が特徴的である。

設立年
2018年
所在地
香港セントラル(日本拠点:東京丸の内)
運用スタイル
アジア新興企業・中小型株への投資。複数ファンドとの投資一任契約を活用
関連ファンド
LCAO、MAP246、BEMAP
保有目的(記載ベース)
純投資

出典:大量保有報告書(2025年9月19日提出)記載内容をもとに論評編集部が整理。

第3章

取得の構造

今回の保有は単一の取得方法によるものではなく、複数の手段を組み合わせた構造となっている。報告書によれば、保有2,300,000株の内訳は以下のとおりである。

取得種別 株数 取得方法・条件
普通株式 300,000株 市場外取引/借株
第5回新株予約権 700,000株 第三者割当引受(1個当たり468円)
第6回新株予約権 700,000株 第三者割当引受(1個当たり176円)
合計 2,300,000株 保有比率28.55%

出典:大量保有報告書(2025年9月19日提出)記載内容をもとに論評編集部が整理。

取得の大半は、スターシーズが実施した第三者割当増資の新株予約権を直接引き受けたものである。これは市場での買付とは異なり、発行会社とファンドの間で直接交わされた資本取引であり、取得局面において市場価格の影響を受けにくい構造を持つ。

資金調達の面では、取得資金の一部としてメリルリンチ・インターナショナルからの借入(約5,468万円)が充当されていることが報告書に明示されている。加えて、「サステナブルエナジー投資事業有限責任組合」へ一部株式を貸し出す株式貸借契約の枠組みも存在し、資金調達・株式取得・貸借スキームが複層的に構成されている。

第4章

論点の整理

今回の大量保有報告は、スターシーズの資本構造と中小型株市場における制度的論点を同時に浮き彫りにする。以下に主要な論点を整理する。

論点① 既存株主の持分希薄化リスク
発行済株式の28.55%に相当する新株・新株予約権が第三者割当で発行された。新株予約権の行使が進むほど既存株主の持分比率は低下し、経済的不利益をもたらす可能性がある。第三者割当の条件設定(引受価格)の妥当性が問われる論点である。

論点② 複雑な資金スキームの透明性
メリルリンチ・インターナショナルからの借入、複数ファンドとの投資一任契約、株式貸借スキームが重層的に絡み合う構造は、実質的な保有主体や意思決定経路を外部から把握しにくくする。ファンドの資金繰りや方針変化が発行会社・既存株主に及ぼす影響について継続的な確認が求められる。

論点③ 「純投資」目的と直接資本取引の乖離
報告書上の保有目的は「純投資」とされているが、第三者割当増資の直接引受は発行会社と一体的な資本政策として機能し得る。保有目的の実態と記載内容との整合性は、変更報告書の内容や議決権行使の動向を通じて継続的に検証される必要がある。

中小型株が外部資金に構造的に依存せざるを得ない現実と、海外ファンドを通じた資本政策が持つリスクは、今回の事例に限らず市場全体の制度的課題と見るのが自然だ。

論点 → 監視

この保有を、どう追うか

変更報告・追加取得の有無を継続して記録する。保有目的に動きがあれば、企業カルテに反映する。

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