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論評RONPYOIndependent Research
OPEN FILE大量保有報告論評編集部公開 2025.11.13更新 2026.06.13

fundnoteが日本シイエムケイ6.66%取得

fundnote株式会社が日本シイエムケイ株式の6.66%を取得し、保有目的には「重要提案行為に変更する場合がある」と明記された。スチュワードシップ・コードを根拠に据えた国内エンゲージメント型の保有であり、対話から経営関与への段階的移行を制度的に担保した構造と見るのが自然だ。

保有割合
6.66%
新規報告
取得株数
4,744,200株
発行済比率
報告種別
大量保有報告書
初回提出
保有目的
対話型エンゲージメント
記載ベース

出典:関東財務局提出・大量保有報告書(報告義務発生日:2025年10月31日、提出日:2025年11月10日)

第1章

サマリー

2025年11月10日、fundnote株式会社が関東財務局に大量保有報告書を提出し、日本シイエムケイ株式会社(東証プライム・6958)の株式6.66%を保有していることが明らかとなった。報告義務発生日は2025年10月31日。

提出者
fundnote株式会社
対象銘柄
日本シイエムケイ株式会社(東証プライム・6958)
報告義務発生日
2025年10月31日
提出日
2025年11月10日
保有株数
4,744,200株
発行済株式総数
71,256,476株
保有割合
6.66%
報告種別
大量保有報告書(新規)
保有目的(記載ベース)
スチュワードシップ・コードに則り建設的な対話により、IR・資本効率・ガバナンスの高度化と企業価値向上を促す。但し、受益者の利益を保全する為に、保有目的を「重要提案行為を行う」に変更する場合がある。

出典:関東財務局提出・大量保有報告書

第2章

fundnote株式会社とは

fundnote株式会社は2021年8月26日に設立された新興の投資運用業者である。本社は東京都港区芝5丁目のクロスオフィス三田に所在し、事業内容は金融商品取引法に基づく投資運用業および第二種金融商品取引業。

同社の特徴は、単なるアクティブ運用にとどまらず、「対話型資本運用」を軸にしたエンゲージメント・ファンドである点にある。運用哲学の中心には以下の3本柱があるとされる。

柱①
ガバナンス改革への関与:取締役会の構成・独立性・報酬体系などへの提案
柱②
資本効率の改善:ROE・ROIC指標に基づく資本政策の是正要求
柱③
IR・情報開示の透明化:企業の説明責任を重視した対話促進

設立から4年未満の新興業者でありながら、東証プライム上場企業の筆頭株主圏に名乗りを上げた点は、国内エンゲージメント運用の一類型として注目に値すると見るのが自然だ。

出典:大量保有報告書記載の提出者情報

第3章

取得の構造

本件の保有は、株式会社Kaihou(カイホウ)による投資助言に基づくものと報告書に明記されている。fundnote自身が主体的に投資判断を行ったわけではなく、信託財産の運用目的での保有という構造である。すなわち、助言者が戦略を握り、fundnoteが表層に立つ二重構造と整理できる。

この形態は、「ファンド・オブ・ファンズ型アクティビズム」の特徴と一致し、受益者利益の保全を名目に経営関与を段階的に拡張できる仕組みを内包している。

保有比率6.66%という水準については、5%超で大量保有報告義務が発生し、10%超で安定株主としての影響が強まるという法制度上の区切りの中間域にある。この6〜7%帯は、企業に対話を迫る牽制力を持ちながら、支配的株主と見なされない水準でもある。制度を踏まえた上での水準設定と見るのが自然だ。

また、対象企業の日本シイエムケイはプリント配線板(PCB)の大手メーカーであり、自動車向けを中心にグローバル展開を進めているが、近年は原材料コスト上昇と中国景気減速の影響を受けて利益率が低下しているとされる。さらに、ROE・ROAともに10%を割り込み、キャッシュリッチでありながら資本効率の低い構造として、機関投資家の改善要求対象に挙がりやすい状態にあることが背景として指摘できる。

出典:大量保有報告書および各種公開情報

第4章

論点の整理

本件を構造的に整理すると、以下3点が主要な論点として浮かぶ。

論点① 助言者との関係
株式会社Kaihouによる投資助言に基づく保有である以上、実質的な意思決定の所在はfundnoteか助言者かが問われる。変更報告書において助言関係に変化が生じた場合、実態把握の難度が上がる。
論点② 「重要提案行為」への移行条件
報告書には「受益者の利益を保全する為に」保有目的を重要提案行為に変更できると明記されている。「受益者利益の保全」の解釈は広範であり、いかなる局面でも目的変更の根拠として援用しうる点を見ておく必要がある。
論点③ 国内エンゲージメント型の拡大
スチュワードシップ・コードを制度的根拠に据えた国内新興運用業者による株主行動主義は、従来の外資系アクティビストとは異なるアプローチをとる。対話の段階から経営関与の段階への移行がいつ・どのように起きるかが継続監視の焦点となる。

次回の変更報告書の提出有無、保有目的欄の文言変化、および日本シイエムケイ側のIR・資本政策に関する開示動向を継続して確認することが、本件を追う上での実務的な起点と見るのが自然だ。

出典:大量保有報告書および関連公開情報をもとに論評編集部が整理

論点 → 監視

この保有を、どう追うか

変更報告・追加取得の有無を継続して記録する。保有目的に動きがあれば、企業カルテに反映する。

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