ダルトンがセンコーGHD株を1070万株超へ買い増し
【結論】ダルトン・インベストメンツは市場内取引を通じてセンコーグループHD株の保有比率を段階的に引き上げ、提出書類に長期保有とガバナンス対話の意図を明記した。賃配政策・取締役会構成への提案行為が今後表面化する可能性は十分にあると見るのが自然だ。
出典:大量保有報告書(変更報告書)/発行済株式数 175,692,457株(報告書記載値)
サマリー
ダルトン・インベストメンツは、センコーグループホールディングス(以下、センコーGHD)の株式を追加取得し、保有株式数を10,709,100株(発行済株式比率 6.10%)とする変更報告書を提出した。前回報告時の保有比率は5.01%であり、今回の変動幅は+1.09ptと、5%超の変動基準を満たす規模の積み増しとなっている。
出典:変更報告書記載事項をもとに論評編集部が整理
提出者とは
提出者はダルトン・インベストメンツ(Dalton Investments, Inc.)。米国ネバダ州に拠点を置く投資顧問会社であり、日本企業のディープバリュー投資において実績を持つ。運用スタイルは、市場が過小評価していると判断した銘柄を長期保有しつつ、必要に応じて発行体企業の経営・ガバナンスに対して改善を求めるアクティビスト型の長期投資として知られる。
今回提出した変更報告書においても、保有目的の欄に「市場において過小評価されているため長期保有する」と明記しており、単純なパッシブ保有とは性格が異なる。日本企業のコーポレートガバナンス改革を主要なカタリストとして位置づける海外バリューファンドの典型的な立ち位置といえる。
出典:変更報告書記載の提出者情報をもとに論評編集部が整理
取得の構造
今回の保有比率引き上げは、すべて市場内取引(立会内取引)によって行われている。TOBや第三者割当といった非市場手段は用いておらず、取引所市場で淡々と買い集める手法が採られた。10月から11月にかけての主な取得記録は以下の通り。
| 取得日 | 取得株数 | 取得方法 |
|---|---|---|
| 10月1日 | 2,000株 | 市場内取引 |
| 10月2日 | 7,300株 | 市場内取引 |
| 10月3日 | 1,800株 | 市場内取引 |
| 10月14日 | 2,500株 | 市場内取引 |
| 10月29日 | 60,900株 | 市場内取引 |
| 11月4日 | 2,400株 | 市場内取引 |
| 11月17日 | 19,600株 | 市場内取引 |
出典:変更報告書添付の取得明細(一部を抜粋)
取得合計は60万株超に達する。特に10月29日(60,900株)・11月17日(19,600株)は単日として規模が大きく、市場における継続的な需要圧力として機能し得る水準である。取得原資はすべて顧客資産(投資顧問業における受託資金)であり、借入れはゼロと記載されている。顧客資産の規模として報告書に記載された額面は177,364,490千円(約173億円)である。
出典:変更報告書記載の取得資金内訳および取引明細をもとに論評編集部が整理
論点の整理
変更報告書の記載内容と取得パターンを踏まえ、以下3点を論点として整理する。
論評編集部による分析。事実認定は変更報告書記載事項に基づく
センコーGHDにおいても、配当政策・取締役会構成・株主還元などに対する提案が今後表面化する可能性は十分にあると見るのが自然だ。
この保有を、どう読むか
変更報告書の追加提出・保有目的欄の記述変化・取得の停止または継続を継続して記録する。保有目的に動きがあれば、企業カバレッジに反映する。
