
売上155億円・営業CF13.8億円
決算サマリー
ラストワンマイルの第14期(2024年9月〜2025年8月)決算は、売上成長を継続しながらも、収益構造の歪みが数字として表面化した決算となった。
売上収益は155億10百万円(前期117億71百万円、前年差+37億38百万円)、税引前利益は11億26百万円(前期9億03百万円)と増益を確保している。
一方で、営業キャッシュフローは13億87百万円と高水準であるものの、人件費・外注費の増加により、売上増がそのまま利益率改善につながっているとは言い難い。
本決算は、同社が「拡大優先型モデル」から「利益と管理を伴う成長モデル」へ移行できるかを問う内容だ。
企業概要と事業モデル
ラストワンマイルは、通信・ライフライン・サブスクリプション商材を中心とした成果報酬型販売支援企業である。
Web広告による集客、インサイドセールス、コールセンターを組み合わせ、「獲得から契約完了まで」を一気通貫で担う点が特徴だ。
売上の大半は成果報酬型で構成されており、需要拡大局面では売上が急伸しやすい。一方、
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人的リソース依存
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オペレーション肥大化
という構造的課題も併せ持つ。
財務分析(B/S)
期末時点の総資産は約698億円(前期734億円)とやや縮小した。
内訳を見ると、
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現金及び現金同等物:30億63百万円(前期25億24百万円)
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営業債権及びその他債権:増加
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有形・無形固定資産:ほぼ横ばい
現金水準は改善しており、短期的な資金繰りリスクは低下している。一方で、営業債権の増加は、運転資金負担の拡大を意味する。
負債面では、
長期借入金残高:約9億92百万円
と、有利子負債は限定的だが、自己資本に対する負担は無視できない水準にある。
利益の内訳(P/L)
損益構造を数値で分解すると、以下の通りだ。
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売上収益:155億10百万円
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税引前利益:11億26百万円
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親会社所有者帰属当期利益:6億74百万円
利益率を見ると、
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税引前利益率:約7.3%
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親会社帰属利益率:約4.3%
売上規模の拡大に対して利益率はまだ高いとは言えず、コスト構造が利益を吸収している状態が続いている。
特に、人件費・外注費・コールセンター運営費の増加が、利益率改善を抑制している。
事業セグメントの収益構造
ラストワンマイルは実質的に単一セグメント構造であり、売上の大半を以下が占める。
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通信・ライフライン販売支援
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サブスクリプション関連商材
この集中構造により、特定業界の規制変更・価格改定が即業績に影響する。
一方で、売上拡大スピードは速く、ポートフォリオ分散が進めば収益の安定性が高まる余地もある。
キャッシュフローの流れ(C/F)
キャッシュフローは本決算の最大の注目点だ。
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営業CF:+13億87百万円(前年16億49百万円)
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投資CF:+2億34百万円(前年▲5億14百万円)
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財務CF:▲10億82百万円
営業CFが高水準を維持している一方、
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自己株式取得:0億85百万円
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借入金返済:8億97百万円
により、財務CFは大きくマイナスとなっている。
これは、拡大期から財務健全化フェーズへ移行しつつある兆候と評価できる。
株主目線での検証ポイント
株主の視点から、検証すべき論点は明確だ。
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売上155億円規模をどこまで利益率改善につなげられるか
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人的依存モデルをシステム化・効率化できるか
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高水準の営業CFを成長投資と株主還元の両立に使えるか
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単一業界依存からの脱却が進むか
論評
ラストワンマイルの今回決算は、急成長企業が必ず直面する「管理と利益の壁」を数字で示した。
売上拡大力とキャッシュ創出力は確かだが、利益率と事業耐久性はまだ発展途上にある。
本決算を「第二成長期への入口」と位置付けたい。
次に市場が問うのは、拡大モデルが“利益モデル”へ進化できるか。
その成否が、同社の企業価値を大きく左右する。

