
国内機関投資家が示す「グロース企業への現実的な評価」
2026年1月9日、関東財務局に提出された大量保有報告書により、りそなアセットマネジメント株式会社 が、東証上場の 株式会社ミラティブ の株式を 8.74% 保有していることが明らかになった。
保有目的は、投資信託および投資一任契約に基づく運用とされており、アクティビズムや経営関与を示唆する記載はない。
しかし、8%を超える水準まで保有が積み上がっている点は、国内大手運用会社がミラティブを「中長期で評価に値する銘柄」と見ていることを示す重要なシグナルだ。
8.74%という「軽くはない数字」
8.74%という保有割合は、単なる参考水準ではない。
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主要株主として無視できない存在
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他の機関投資家の動向にも影響を与え得る
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将来的な需給・株価形成に一定の重みを持つ
という、実務上は「準・大口株主」と呼ぶべき水準にある。
5%超で終わらせず、8%台まで積み上げている点からは、単なる指数対応や一時的なポジション構築ではなく、明確な評価と保有継続の意思が読み取れる。
大量保有報告書の事実整理
提出書類に基づく主な内容は以下の通りである。
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報告義務発生日:2025年12月31日
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提出日:2026年1月9日
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提出者:りそなアセットマネジメント株式会社
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発行体:株式会社ミラティブ
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保有株数:1,479,600株
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保有割合:8.74%
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保有目的:
投資信託、投資一任契約に基づく運用 -
重要提案行為等:該当事項なし
保有は普通株式のみであり、新株予約権や転換社債といった。希薄化を伴う金融手段は用いられていない。
りそなアセットマネジメントという投資主体
りそなアセットマネジメントは、りそなグループ傘下の資産運用会社として、
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個人向け投信
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年金・機関投資家資金
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投資一任運用
を幅広く手がける典型的な国内長期資本である。
その投資スタイルは、
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急激な値動きを狙わない
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企業の成長性と持続性を重視
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経営への直接介入は行わない
という、安定運用を軸とした中長期志向にある。
ミラティブという企業の現在地
ミラティブは、ライブ配信・コミュニティ型サービスを軸に成長してきたIT企業であり、
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若年層ユーザー基盤
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コンテンツ×テクノロジーの融合
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成長市場へのエクスポージャー
という特徴を持つ一方、
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収益モデルの成熟途上
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グロース企業特有の評価変動リスク
も併せ持つ。
こうした企業は、短期資金には振り回されやすいが、長期資金とは相性が良い。
なぜミラティブなのか
りそなアセットマネジメントの視点に立てば、ミラティブは合理的な投資対象だ。
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成長余地のある事業領域
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上場企業としての情報開示
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一定の市場流動性
過度なレバレッジや複雑な資本政策を伴わず、純粋に事業価値の伸びを見極められる構造が評価されたと考えられる。
「純投資」という言葉の実際的な意味
保有目的は「投資信託・投資一任契約に基づく運用」。
そのため、経営への関与や株主提案を想定する必要はない。
ただし、
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8.74%という比較的高い比率
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国内大手運用会社による保有
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普通株式のみでの保有
を踏まえれば、本件は「短期で売却する前提ではない株主が入った」ことを示す事実として重く受け止めるべきだろう。
論評
本件は、派手なアクティビズムでも、再編を迫る動きでもない。
しかし、こうした国内機関投資家による静かな大口保有は、グロース市場にとって極めて重要な意味を持つ。
りそなアセットマネジメントの 8.74% は、経営への注文ではない。
それは、「この企業は短期の流行で終わらない」という、長期資本からの評価だ。
ミラティブが、この評価を
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事業基盤の強化
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収益モデルの確立
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市場との対話
につなげられるのか。
その行方は、日本のグロース企業が成熟段階へ進めるかどうかを占う一つの指標となる。
