【大量保有報告】エス・サイエンス株式を大量保有

2025年5月6日

エス・サイエンス株式を大量取得―その背後にある狙いとは？

2025年5月1日、2つの企業がほぼ同時に株式会社エス・サイエンス（証券コード：5721）の大量保有報告書を関東財務局に提出したことが明らかになった。

注目すべきは、これら2社がエス・サイエンス株式を相当数保有しており、市場に与えるインパクトが大きいことだ。

2025年5月1日、株式会社グローバルエナジーと株式会社ミュージックコーポレーションがほぼ同時に株式会社エス・サイエンス（証券コード：5721）の大量保有報告書を関東財務局に提出した。両社合わせて保有株式が21,740,030株（約15％）に達しており、市場に強い影響力を及ぼす可能性が高まった。

株式会社グローバルエナジーは2019年に設立され、東京都港区東新橋を拠点に、太陽光発電など再生可能エネルギー関連の事業を展開している。

近年は、環境エネルギー分野の投資を積極的に進め、サステナビリティに関する社会的ニーズへの対応力を高めている。

一方の株式会社ミュージックコーポレーションは1980年設立の企業で、東京都港区麻布十番に本社を置く。

主な事業は企業戦略や資本効率化を推進するコンサルティング業務で、企業再生や企業価値の最大化を目的としたアクティビスト的な投資を得意としている。

株式会社エス・サイエンスは、東京証券取引所に上場している非鉄金属専門企業である。特に亜鉛や鉛などの精錬や販売を主な事業とし、金属資源の循環型利用を推進する企業として知られる。

同社の事業基盤は日本国内に加え、東南アジアを中心とする海外市場にも展開しており、国際的な資源価格の変動に大きく影響を受ける。

近年のエス・サイエンスは、非鉄金属価格の変動に伴う収益の不安定化、原材料コストの増加、さらに業界内競争の激化によって業績が停滞しており、資本市場からも経営改革や資本効率改善の必要性を指摘されている。

また、同社は環境対策や持続可能性の推進を企業戦略に組み入れており、資源循環型社会の実現に向けた新たなビジネスモデル構築が課題となっている。

この背景を踏まえると、グローバルエナジーやミュージックコーポレーションによる大量取得は、単なる財務投資という枠を超え、同社の経営改革を促すことを目的とした戦略的投資としての側面が強いことが推察される。

両社の大量保有報告書には「純投資」との記載があるが、両社の企業特性から鑑みると、今後の経営方針への積極的関与を図る可能性が高い。

特にミュージックコーポレーションは、経営効率化や企業再編に関する専門性を持っており、具体的な経営改善案や資本効率化策を提言することも予想される。

またグローバルエナジーの環境関連事業の特性から、エス・サイエンスの資源循環型事業と連携した新たな事業展開や環境配慮型経営の推進も考えられる。

これらの戦略的協働により、エス・サイエンスの中長期的な企業価値向上が実現される可能性がある。

投資家や市場関係者が特に注視すべき点として、以下の内容が挙げられる。

今回のグローバルエナジーとミュージックコーポレーションによるエス・サイエンス株式の大量取得は、経営改革と資本効率改善を強力に推し進めることを意図した戦略的行動である。

投資家は今後、両社が経営陣に対してどのような提言を行い、それがどのように市場評価を変えていくかを注意深く見守る必要があるだろう。