米国、ついに“トリプルA”陥落

格下げ露呈した「財政制御不能国家」実態

2025516日、大手格付け機関ムーディーズ米国長期信用格付けを「Aaa(トリプルA)」から「Aa1」1段階引き下げた。

これにより、米国主要格付け会社3すべてから上位格付けい、“世界一安全資産”として国債象徴地位ついにらいだ。

この格下げは、単なる市場瞬間反応とどず、構造財政赤字、政治不安定、そしてグローバル金融秩序におけるドル基軸相対地位低下象徴する警鐘ある。

格下げは「既定路線」──だが“タイミング”市場狼狽

ムーディーズ202311すでに格付け見通しを「ネガティブ」変更おり、今回格下げは“時間問題”ていた。

だが、以降予定れる債務上限問題や、共和主導進む「恒久トランプ減税」法案動向に、あえてこのタイミング実施こと市場不意た。

問題法案今後10年間政府債務5ドル(730円)拡大させる試算あり、ムーディーズは「義務支出赤字削減実効乏しい」た。

要するに、“米国政府借金ブレーキ国家”判断のである。

国債もはや「リスクフリー」ではないか?

格下げ直後、10国債利回り一時4.49%まで上昇したものの、市場短期冷静た。

バークイズは「強制売却ない」べ、格下げ国債依然として銀行外貨準備運用から「リスクフリー資産」いること強調した。

だが、それは“制度上”評価あり、“実態”ないリスク今後拡大する可能性否定できない。今回格下げは、長期に「金利上昇圧力」常態する予兆とも言える。

■ 「脱・国債」加速──BRICS諸国示す静か造反

格下げ発表直前に、もう一つ象徴変化確認た。財務公表した20253時点外国国債保有統計で、中国英国3後退しただ。

中国保有7653ドルで、前月189ドル減少。一方、英国7793ドル増加した。

中国による国債縮小動きは、1トランプ政権以降通商対立対ロ金融制裁背景に、ドル依存から戦略撤退”として段階けらきた。

現在動きも、2トランプ政権備えみる市場関係なくない。

また、インド・ブラジルなどBRICS諸国1年前比べ国債削減おり、ドル以外外貨準備」世界マネー緩やかシフトいる構造見え隠れいる。

トランプ政権と“利上げ圧力”──市場信頼回復可能か?

格下げきた20255金融環境は、決して平穏ではない。4以降、トランプ大統領再選伴う関税政策強硬FRBパウエル議長圧力などぎ、国債売り誘発ていた。

えて、好調景気インフレ粘着により、FRB早期利下げ観測後退。10利回り再び4.5%り、財務長官ベッセント進める金利引き下げ戦略動き示し始めている。

ここムーディーズ格下げが“追い打ち”としてわれば、市場信頼回復想像以上困難ものなる可能性ある。

ドル信任」じわじわひび──“信用裏付け”基軸通貨

今回格下げは、単なる評価変更とどない。世界投資にとって、国債=無条件安全」ではなくなる未来突きつけるものあり、同時に“ドル信用”という基軸通貨最大武器ひびこと意味する。

米国世界からマネー呼び戻すためは、信用構築と、財政規律回復不可欠だ。

だが、与野党対立政治混乱、トランプ減税拡大による債務膨張ば、次に揺らぐは「ドル覇権」そのものかもない。

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