【大量保有報告】ゼナーアセットマネジメントの狙い

2025年5月4日

ゼナーアセットマネジメントが株式会社やまみ株式を大量取得―その意図と影響を徹底分析

2025年5月1日、英国を拠点とするアクティビスト投資家、ゼナーアセットマネジメント（Zennor Asset Management LLP）が、食品メーカーである株式会社やまみ（証券コード：2820）の株式を大量取得したことを大量保有報告書で公表した。

同社の保有株式数は372,500株、保有比率は5.35％に達している。この動きが市場に及ぼす影響やその戦略的な背景を徹底分析する。

ゼナーアセットマネジメントは2002年に英国で設立された有限責任事業組合（LLP）で、主に欧州市場を中心に資産運用および投資顧問業を展開している。

特に、企業価値を積極的に向上させるアクティビスト投資家として知られ、企業経営への提言や株主価値向上のための戦略的投資を得意とする。

代表者はチーフオペレーティングオフィサーのサチン・パテル氏であり、同社の投資スタンスは、経営陣との密接な対話を通じて企業価値の向上を目指す点に特徴がある。

株式会社やまみは東証スタンダード市場に上場している食品メーカーであり、豆腐や油揚げなどの大豆加工食品を主力製品として製造・販売している。近年の健康志向の高まりを背景に、安定した市場シェアを獲得しているものの、業界全体では原材料価格の高騰や競争激化といった課題を抱えている。

大量保有報告書に記載されている通り、ゼナーアセットマネジメントの今回の投資目的は、顧客資産の運用を通じた利益追求だけでなく、やまみの資本効率や経営体制の改善を視野に入れた戦略的介入にあると推測される。

具体的には、やまみの経営陣との積極的な意見交換を行い、資本政策の見直しや経営効率化を促す可能性が高い。こうしたアクティビスト的な関与が今後の企業戦略に大きな影響を与えることが予想される。

今回の株式取得に投じられた資金約17億3930万円は、ゼナーアセットマネジメント自身の資金ではなく、投資顧問契約に基づく顧客資産である。これは投資顧問業としての運用責任を明確に示すものであり、顧客利益の最大化を目的としている。

投資家はゼナーアセットマネジメントの今後の動向や、やまみ経営陣との具体的な対話内容を注視する必要がある。特に、経営改善策や資本効率化に関する具体的な提案が明らかになれば、株価が再評価される可能性が非常に高い。