ピルグリム・パートナーズ、HYUGA PRIMARY CAREに5.30%保有公示


大量保有報告書 / 7133

ピルグリム・パートナーズ・アジア、HYUGA PRIMARY CAREに5.30%の保有を初公示——22日間・22件にわたる市場内小口分散取得で先行投資費用の「踊り場」を通過中の在宅訪問薬局大手に参入
3月16日から5月15日まで22営業日にわたって毎日少量ずつ市場内取得を継続した「超緻密な分散型」の積み上げパターンは、ピルグリムがHYUGA PRIMARY CAREへの投資判断を徐々に固めながら流動性に配慮した取得を行った過程を示している。「建設的な対話・意見交換を行うことがある」という条件付き宣言も特筆される。
発行体 HYUGA PRIMARY CARE株式会社
証券コード 7133(東京証券取引所グロース市場)
提出者 ピルグリム・パートナーズ・アジア・ピーティーイー・エルティーディー
報告義務発生日 令和8年5月15日
提出日 令和8年5月21日
根拠条文 金融商品取引法第27条の23第1項
発行済株式総数 7,279,000株(令和8年3月31日現在)
直前報告書 該当なし(新規)

保有株数
385,700
株(全額顧客資産)

保有割合
5.30%
発行済7,279,000株に対して

直近売上高(2026年3月期)
119.8億円
前期比+20.0%増収

取得パターン
22日連続・市場内
3/16〜5/15・毎営業日小口分散

事実整理
提出者 ピルグリム・パートナーズ・アジア・ピーティーイー・エルティーディー(Pilgrim Partners Asia (Pte.) Ltd.)
所在地 シンガポール068602、テロックアヤーストリート137、#04-07
設立年月日 平成21年11月26日(2009年)
代表者 アルバート・イー・ウン・サン(最高経営責任者)
事業内容 投資顧問業
保有目的 保有目的は純投資。ただし、発行会社の中長期的な企業価値の向上に資すると考える場合には、経営陣との建設的な対話や意見交換を行うことがある
重要提案行為等 該当なし(現時点では実施していない)
保有株券等の数(総数) 385,700株
株券等保有割合 5.30%(発行済7,279,000株に対して)
取得資金 424,457千円(全額顧客の資産、借入なし)
担保契約等 該当なし
連絡先 TMI総合法律事務所 弁護士 荻田多恵
直近60日間の取得状況——22日間22件の超緻密な小口分散取得
年月日 数量(株) 割合 区分
令和8年3月16日 2,200 0.03% 取得
令和8年3月17日 900 0.01% 取得
令和8年3月18日 1,200 0.02% 取得
令和8年3月19日 300 0.00% 取得
令和8年3月23日 10,200 0.14% 取得
令和8年3月24日 400 0.01% 取得
令和8年3月30日 1,500 0.02% 取得
令和8年4月2日 400 0.01% 取得
令和8年4月7日 100 0.00% 取得
令和8年4月13日 500 0.01% 取得
令和8年4月14日 1,400 0.02% 取得
令和8年4月16日 2,600 0.04% 取得
令和8年4月21日 9,500 0.13% 取得
令和8年4月23日 700 0.01% 取得
令和8年4月27日 3,200 0.04% 取得
令和8年4月28日 13,900 0.19% 取得
令和8年5月8日 1,000 0.01% 取得
令和8年5月11日 4,000 0.05% 取得
令和8年5月12日 1,900 0.03% 取得
令和8年5月13日 7,400 0.10% 取得
令和8年5月14日 23,300 0.32% 取得
令和8年5月15日 26,200 0.36% 取得
取得パターン分析——「超緻密な小口分散型」の戦術的意味

22営業日・22件の取得はすべて市場内取引であり、1日あたりの取得量は100株(最小)から26,200株(最大)まで大きく変動している。特に最終5営業日(5月11〜15日)に合計62,800株(全取得の合計比が不明だが22日間の後半に集中)が取得されていることは、閾値(5%)に迫った段階での取得ペース加速を示している。発行済株式7,279,000株というグロース市場の小型株において、1日100〜400株という超少量での取得は市場への影響を最小化しながら価格に影響を与えずに積み上げる極めて慎重な手法だ。取得資金424,457千円(約4.2億円)÷保有株数385,700株から試算される平均取得単価は約1,100円となる。

なお、直近60日間の22件でどれだけの株数が積み上げられたかを合算すると約113,000株となり、残余の約272,000株(70.6%)は60日以前の段階で既に保有されていたことになる。全保有の約3割が直近60日の積み上げであり、60日以前から長期にわたる段階的な積み上げの仕上げとして義務発生を迎えた構図だ。

発行体の業績——「増収・先行投資減益」という踊り場の読み方
2026年3月期:売上+20%増収・3Q営業利益▲39%という「成長投資の痛み」
指標 2025年3月期(実績) 2026年3月期(通期)
売上高 99.8億円(+20.5%増) 119.8億円(+20.0%増)
営業利益(3Q累計) 6.7億円 4.1億円(▲39.1%)
在宅患者数 1万人突破
きらりプライム加盟法人(3Q末) 824社 928社
配当 20円 20円(維持)

HYUGA PRIMARY CAREは北九州市発祥の在宅訪問薬局運営企業だ。「きらり薬局」ブランドで在宅患者向けの薬剤師派遣・処方箋調剤を行う「在宅訪問薬局事業」を主軸に、他の中小薬局にノウハウ・システムを提供する「きらりプライム事業」(加盟法人928社・加盟店2,831店)、高齢者向け介護施設「プライマリケアホーム事業」を展開する。3Q営業利益が前年比▲39.1%と大幅減益となっている主因は、在宅患者数1万人突破に向けた新規出店・エリア拡大のための先行投資費用(採用・研修・拠点設置等)と、プライマリケアホームの新規施設開設費用の計上であり、売上成長+20%という高成長継続と減益の「成長投資の踊り場」という構図だ。

取得主体の分析
ピルグリム・パートナーズ・アジア——シンガポール拠点・日本株成長投資の専門家

Pilgrim Partners Asia (Pte.) Ltd.は2009年にシンガポールで設立された投資顧問会社であり、代表者のアルバート・イー・ウン・サン氏がCEOを務める。「Pilgrim(巡礼者)」という社名と日本株への深い関与は、アジアを拠点に日本の成長企業を丁寧に発掘する姿勢を体現している。保有目的として「純投資」を掲げながら「中長期的な企業価値の向上に資すると考える場合には、経営陣との建設的な対話や意見交換を行うことがある」と記載している点は、GMO(美津濃)・ゼナー(片倉)と同型の「条件付きエスカレーション型」宣言であり、発行体の対応次第でエンゲージメントに移行する余地を保持した参入姿勢を示している。

なぜHYUGA PRIMARY CAREなのか
高齢化社会の構造的受益者
在宅患者数1万人突破・訪問薬局拡大
日本の高齢化加速と「在宅療養」推進政策(病院完結型から地域完結型医療への転換)は、在宅訪問薬局というビジネスモデルに構造的な需要拡大をもたらす。在宅患者数1万人突破という実績は、このモデルの実証として機能している。高齢化はアジア全域でも共通のテーマであり、シンガポール拠点のピルグリムがこのテーマを評価した可能性は高い。

きらりプライム事業のプラットフォーム価値
加盟法人928社・加盟店2,831店のネットワーク
きらりプライム事業は中小薬局に在宅訪問のノウハウ・システムを提供するFC(フランチャイズ)型のプラットフォームであり、加盟薬局数の拡大に伴って収益が安定化する「プラットフォーム性」を持つ。加盟法人928社・店舗2,831というネットワーク規模は参入障壁として機能し、競合が模倣しにくい。

先行投資減益の一時性
3Q▲39%減益は新規出店・施設開設費用が主因
3Q営業利益の大幅減益は、在宅患者数拡大・新規エリア展開・プライマリケアホーム新規施設開設という「意図的な先行投資」による費用計上が主因であり、既存エリアでの成長が続いている。投資フェーズの費用計上が一巡した後の利益率回復を見込んだ投資は、ピルグリムのような中長期視点の投資家に適した判断基準だ。

グロース市場の小型株・情報非効率
発行済727万株・機関投資家カバレッジが薄い
発行済株式727万9千株という超小型グロース銘柄は、国内外の機関投資家のアナリストカバレッジが極めて薄く、情報の非効率性が高い。1日100〜数百株という少量での丁寧な積み上げパターンは、流動性が低い小型株で価格インパクトを最小化しながら5%超を達成するための必然的な手順であり、ピルグリムがこの銘柄に対して相当な時間をかけた調査と確信の深化を経て参入したことを示している。

関係者構造
大量保有者
Pilgrim Partners Asia (Pte.) Ltd.
シンガポール / 設立2009年11月
代表:アルバート・イー・ウン・サン(CEO)
連絡:TMI総合法律事務所 荻田多恵

取得方法
22日間・市場内小口分散取得
取得資金:4.24億円(顧客の資産)
平均取得単価:約1,100円(試算)
3月16日〜5月15日の精密な積み上げ

発行体
HYUGA PRIMARY CARE株式会社(7133)
東証グロース / 在宅訪問薬局・きらりプライム
2026年3月期 売上119.8億(+20.0%増)
発行済株式:7,279,000株

シナリオ分析
Scenario 01 — 先行投資一巡・利益率回復
2027年3月期に新規出店費用の一巡で営業利益が急回復
在宅患者数拡大・新規エリア展開の先行投資フェーズが一巡し、2027年3月期に既存店の稼働率向上と費用効率改善により営業利益率が前期水準に回帰するシナリオ。2026年3月期当初予想(売上121.9億・営業利益13.1億・+25%増益)の実現がピルグリムの投資仮説を証明する最初の指標となる。在宅患者数・きらりプライム加盟数の成長継続が確認されれば、変更報告書での保有増加が生じる可能性がある。

Scenario 02 — 建設的な対話による成長加速
経営陣との意見交換で資本効率・情報開示の改善
ピルグリムが保有目的欄に記載した「中長期的な企業価値の向上に資すると考える場合の経営陣との対話」が実際に機能し、投資家向けIR強化・資本政策の明確化・利益率改善へのコミットメントが引き出されるシナリオ。グロース市場の小型株として機関投資家の認知度が低い同社にとって、中長期の成長ストーリーを外部に伝えるIR活動の強化は株価評価に直結する課題だ。

Scenario 03 — 先行投資費用の長期化・縮小
新規出店費用が複数年に長期化し収益化が遅延
プライマリケアホームの新規施設開設費用・採用コストの高止まりが2027年3月期以降も続き、増収が利益に繋がらない状況が長期化するシナリオ。ピルグリムが「先行投資の一時性」という前提が崩れたと判断した場合、保有を縮小する変更報告書が生じる。超小型株ゆえ、保有縮小時の市場インパクトには注意が必要だ。

論評

ピルグリム・パートナーズ・アジアがHYUGA PRIMARY CAREに5.30%の保有を公示した事実は、シンガポール拠点の日本成長株専門投資顧問が、在宅患者数1万人突破・きらりプライム加盟2,831店という高齢化社会向け訪問薬局プラットフォームの構造的成長性を評価しながら、先行投資費用による3Q減益という「増収・投資期の踊り場」局面を22日間・22件の超緻密な小口分散取得で丁寧に5%超まで積み上げた構図として位置づけられる。「中長期的な企業価値の向上に資すると考える場合の経営陣との対話」という条件付き宣言は、HYUGA PRIMARY CAREの成長継続と利益率回復への期待を裏打ちするエンゲージメントの準備として機能しており、2027年3月期の営業利益率回復の有無と在宅患者数の成長継続が、この投資仮説を最初に検証する重要な観察指標となると見るのが自然だ。

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