
| 発行体名称 | 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ(8377)東証プライム・札証 |
| 筆頭提出者 | ウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピー(米国・ボストン) |
| 連名提出者(2) | ウエリントン・マネージメント・インターナショナル・リミテッド(英国・ロンドン) |
| 保有目的(全社共通) | 投資一任契約による顧客の資産運用 |
| 重要提案行為等 | 記載なし |
| グループ合計保有株数 | 6,475,141株 |
| 発行済株式等総数 | 121,120,114株(2026年4月30日現在) |
| グループ合計保有割合 | 5.35% |
| 直前の報告書の保有割合 | 記載なし(初回大量保有報告書) |
| 60日間取得ログ | 開示なし(特例対象株券等のため省略) |
| 提出代理人 | 長島・大野・常松法律事務所 弁護士 清水啓子・萩原宏紀(東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー) |
本報告書は金融商品取引法第27条の26第1項に基づく特例対象株券等の大量保有報告書として2026年5月11日に提出された。報告義務発生日は2026年4月30日であり、同日は塩野義製薬(4507)への大量保有報告書の義務発生日とも一致する。提出代理人も長島・大野・常松法律事務所の同一弁護士であり、ウエリントン・グループが同一の4月月末サイクルで日本国内の複数銘柄の保有状況を一括処理する開示ルーティンの一環として本報告書が生まれたことを示している。
塩野義(4社連名・5.23%)との比較で本報告書の構造上の差異を整理すると、提出者が2社(米国法人+英国法人)とシンプルな構成であり、英国法人(ウエリントン・マネージメント・インターナショナル・リミテッド)が参加している点が特徴的だ。米国法人5,446,825株(4.50%)が全体の84%を占め、英国法人1,028,316株(0.85%)が補完する構造となっている。特例対象株券等の特性上、取得単価・取得ログは一切開示されておらず、積み上げの経緯を外部から検証する手段はない。
| 提出者 | 拠点 | 保有株数 | 保有割合 | グループ内構成比 |
|---|---|---|---|---|
| Wellington Management Company LLP | 米国・ボストン | 5,446,825株 | 4.50% | 84.1% |
| Wellington Management International Ltd | 英国・ロンドン | 1,028,316株 | 0.85% | 15.9% |
| グループ合計 | — | 6,475,141株 | 5.35% | 100% |
ウエリントン・マネージメントについては塩野義製薬の記事で詳述した通り、1928年創業のグローバル長期機関投資家であり、AUM約1兆ドルを誇る世界有数の資産運用会社だ。非公開パートナーシップ制のもと長期視点での投資を貫き、重要提案行為等の欄が空欄であることから経営介入を意図しない純粋なポートフォリオ投資として位置づけられる。
地銀株への大量保有という選択を読み解く鍵は、日本の金利環境の構造的な変化にある。日本銀行のマイナス金利政策解除(2024年3月)以降、政策金利の段階的な引き上げが進んでおり、ウエリントンの共同創業者マーク・ピアソン氏も「銀行・生命保険などの金融株は2020〜22年にかけて保有を増やした」と公言してきた投資家だ。金利上昇は地方銀行の資金利ざや拡大に直結するため、日本の地銀株全体がグローバル機関投資家の評価を高める局面が到来している。ほくほくFGもその恩恵を受けており、直近(2026年3月期)は経常利益+56.4%増・純利益+50.7%増という大幅増益を達成している。
株式会社ほくほくフィナンシャルグループ(8377)は、北陸銀行(富山・石川・福井の北陸3県が基盤)と北海道銀行(北海道基盤)という地理的に離れた2つの地銀を傘下に持つ金融持ち株会社だ。2004年に全国初となる「本店の所在地が遠隔地にある地銀統合」として誕生し、北陸・北海道・三大都市圏という広域ネットワークを強みとする。連結総資産規模は地銀グループ中第5位(貸出金残高10兆6,975億円・預金14兆4,783億円)という規模を持つ。
直近の2026年3月期は、金利上昇局面での資金利ざや拡大と、北海道エリアにおけるGX(グリーントランスフォーメーション)関連投融資の拡大が業績を大きく押し上げた。経常収益2,774億円(前年同期比+32.0%増)・経常利益807億円(+56.4%増)・純利益588億円(+50.7%増)という数字は地銀として突出した成長率だ。中期経営計画「NEXT STAGE」では金利環境の変化を追い風としながら「アセットの積み上げ」と「非金利収入強化」を両立する戦略を掲げており、2025年12月には60億円の自己株式取得も公表している。ウエリントンにとって、金利上昇の恩恵を享受しながら自己株取得・広域展開による収益多様化を同時に進めるほくほくFGは、金利環境変化を投資テーマとした地銀バスケットの中でも有力な候補として映ったと見るのが自然だ。
