
| 発行体名称 | グローバルセキュリティエキスパート株式会社(4417)東証グロース市場 |
| 筆頭提出者 | オールド・ピーク・グループ・リミテッド(Old Peak Group Ltd.)2016年設立・香港 |
| 連名提出者(2) | オールド・ピーク・リミテッド(Old Peak Limited)2002年設立・香港 ※実保有ゼロ |
| 保有目的 | 長期投資並びに株主価値の向上及び保全のため重要提案行為等を行うことがある |
| 重要提案行為等 | 株主価値の向上及び保全のため重要提案行為等を行うことがある |
| 実質保有株数 | 786,300株(Old Peak Group単独。Old Peak Limitedは0株) |
| 発行済株式等総数 | 15,309,600株(2026年4月28日現在) |
| 株券等保有割合 | 5.14% |
| 直前の報告書の保有割合 | 記載なし(初回大量保有報告書) |
| 取得資金合計 | 2,074,843千円(全額顧客資金・自己資金ゼロ・借入なし) |
| 提出代理人 | 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士 河村明雄・町田行人(東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル) |
本報告書で最も注目すべき点は保有目的欄の記載内容だ。「長期投資並びに株主価値の向上及び保全のため重要提案行為等を行うことがある」とあり、さらに重要提案行為等欄にも同様の文言が明記されている。市場関係者の間でオールド・ピークは「サイレント・アクティビスト」として知られており、過去の大量保有報告書では保有目的を「純投資(Pure Investment)」と記載するケースが多かったとされる。今回の「重要提案行為等を行うことがある」という初回報告書からの明示的な宣言は、オールド・ピークがグローバルセキュリティエキスパートに対して従来より踏み込んだ関与を想定していることを示す重要なシグナルだ。
連名提出者のオールド・ピーク・リミテッドの実質保有株数はゼロであり、総括表でも「0株・0%」と明記されている。ナカノフドー建設や杉村倉庫等の過去の案件でも同様の形式が確認されており、グループ持株会社(Old Peak Group Ltd.)が実際に保有し、親会社(Old Peak Limited)が形式的な共同保有者として連名するというのはオールド・ピークの標準的な報告形式だ。
| 年月日 | 数量(株) | 割合 | 区分 | 取得/処分 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月2日 | 17,500 | 0.11% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月3日 | 13,200 | 0.09% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月4日 | 13,000 | 0.08% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月5日 | 8,000 | 0.05% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月9日 | 15,900 | 0.10% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月16日 | 10,000 | 0.07% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月17日 | 10,800 | 0.07% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月19日 | 13,100 | 0.09% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月23日 | 17,200 | 0.11% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月30日 | 14,600 | 0.10% | 市場内 | 取得 |
| 2026年3月31日 | 14,600 | 0.10% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月1日 | 14,600 | 0.10% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月7日 | 34,500 | 0.23% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月7日 | 20,000 | 0.13% | 市場内 | 処分 |
| 2026年4月8日 | 12,000 | 0.08% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月13日 | 10,000 | 0.07% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月14日 | 27,400 | 0.18% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月14日 | 16,000 | 0.10% | 市場内 | 処分 |
| 2026年4月15日 | 16,000 | 0.10% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月16日 | 13,600 | 0.09% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月21日 | 13,600 | 0.09% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月21日 | 8,000 | 0.05% | 市場内 | 処分 |
| 2026年4月22日 | 5,100 | 0.03% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月23日 | 31,500 | 0.21% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月23日 | 12,000 | 0.08% | 市場内 | 処分 |
| 2026年4月24日 | 10,000 | 0.07% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月28日 | 32,100 | 0.21% | 市場内 | 取得 |
| 2026年4月28日 | 10,000 | 0.07% | 市場内 | 処分 |
60日間のログに記録された27件はすべて市場内取引だ。3月の期間は純取得のみで一定量を毎日積み上げているが、4月7日以降は同一日に取得と処分が対となる「対当取引」パターンが5回確認される。この「大きく取得し一部を即日処分する」手法は、流動性の低い小型グロース株において急激な株価への影響を避けながら目標水準へポジションを調整するオールド・ピーク特有の取引スタイルと解釈できる。取得資金20.7億円を保有株数78.6万株で割ると平均取得単価は約2,637円と試算され、52週安値(2,200円)に近い水準での構築が示唆される。
オールド・ピーク・グループは2016年設立の香港籍投資運用会社だ。2002年設立の親会社オールド・ピーク・リミテッドとともに、日本の中小型株への集中投資で知られる。2025年のヘッジファンドランキングで世界トップクラスの成績を収めたと報じられており、藤田観光、杉村倉庫、ナカノフドー建設、ビリングシステム等の過去の投資先が確認されている。
市場関係者の間でオールド・ピークは「サイレント・アクティビスト」として認識されている。派手な公開書簡を出すオアシスとは異なり、表面的には経営介入をしないスタンスを保ちながら、海外ファンドが5%超を握るという事実そのものが経営陣に「潜在的な脅威」として機能するという「沈黙の圧力」モデルだ。今回の報告書で「重要提案行為等を行うことがある」を初回から明記したことは、この「沈黙」から踏み込んだ宣言への転換として市場は受け取るべきシグナルだ。
グローバルセキュリティエキスパート(4417)は、中堅・中小企業向けサイバーセキュリティに特化した専門企業だ。コンサルティング・脆弱性診断・教育・セキュリティソリューション・ITソリューションの5事業ドメインで構成され、「教育」を軸とした自衛力向上という独自アプローチを強みとする。ビジネスブレイン太田昭和の連結子会社という親子関係もある。直近の2026年3月期は売上高110.22億円(前年同期比+25.2%増)・営業利益22.38億円(+38.6%増)と全指標で過去最高を更新し、次期(2027年3月期)も25%増収・31%増益予想という成長軌道にある。ROEは35%前後と高水準だ。
それにもかかわらず株価は52週高値6,700円から義務発生日時点で約2,600円台と約60%もの下落を記録している。オールド・ピークが好む「業績成長と株価の大幅乖離がある割安小型株」のパターンと完全に合致する。さらにビジネスブレイン太田昭和の連結子会社という親子関係は、少数株主保護・独立性の問題という文脈でのエンゲージメントの余地を内包しており、「重要提案行為」の具体的な射程として意識されている可能性がある。
