North Peak Capitalがメドレーを5.03%取得

米系投資ファンドが静かに積み上げた“純投資”の真意を読む

サマリー

  • 米国ヘッジファンド North Peak Capital Management, LLC がメドレー株を 5.03%(164万5,225株) 保有

  • 取得は主に市場内で行われ、85,000株、125,000株と大型の日次取得が複数確認される

  • 保有目的は“純投資”と明記され、重要提案行為は「該当なし」

  • 取得原資は 顧客資金5,122百万円、投資一任契約による資金運用

  • 市場内での機動的な売買を織り交ぜながらポジションを積み上げており、アルゴ系ヘッジファンド的な戦略が見える

今回の5.03%取得の構造

提出者は North Peak Capital Management, LLC

米国ニューヨークの405 Lexington Avenue を拠点とする投資運用会社で、代表者は Michael Kahan(Managing Member)。

設立は2015年。比較的新しいが、実態としてはテック系成長株を好むオルタナ系ヘッジファンド の特徴を持つ。

今回の大量保有報告で明らかになった内容。

  • 保有株数:1,645,225株

  • 保有割合:5.03%

  • 取得資金:5,122,843千円(全額が顧客資金)

  • 重要提案行為:なし(完全な純投資)

つまり、典型的な「顧客資産を用いた運用型ヘッジファンド」のパッシブ寄りアクティブ投資 に分類される。

60日間の取引履歴

“市場内での高速積み上げ”

報告書の取引履歴から見えてくるのは、市場内での機動的な売買を軸にした戦略 だ。

代表的な取引

  • 9月19日:85,000株取得(市場内)

  • 9月30日:8,600株処分(市場内)

  • 10月17日:5,220株取得(市場内)

  • 11月17日:125,000株取得(市場内)

注目すべきは 「市場内」「大型の単日ロット」「処分も混在」 という3つの特徴。

これは典型的な

  • 流動性を利用したエントリー

  • 株価バンド(価格帯)を見ながらの機動売買

  • ポジションを減らしつつ全体として増やす“積み上げ型”戦略

で、CTA(Commodity Trading Advisor)系ヘッジファンド が用いる投資パターンに近い。

特に11月17日の 125,000株取得は決定的 で、これでポジションは一気に5%ラインへ乗った。

North Peak の投資

思想“純投資”の裏にある意図

保有目的は「投資一任契約に基づく純投資」。

これは、いわゆるアクティビストのような経営介入を意図しないことを意味する。

しかし、“純投資”という言葉は非常に解釈が広い。

純投資=「経営に口出ししません」という意味ではない

実際には、North Peak が行うのは以下のような投資だ。

  • 財務指標(売上成長率・営業利益伸長率・KPI)を重視

  • 市場評価と事業成長のギャップを狙う “ギャップ投資”

  • 株価のボラティリティを利用する “機動トレード”

メドレーは、オンライン医療の成長性と、営業利益率の改善が続く“割安成長株”の典型 であるため、North Peak の投資領域と合致する。

メドレー側の構造

なぜ今、5%投資の対象になったのか

メドレーは医療DXの中核企業として、これらを伸ばしてきた。

  • 「CLINICS」プラットフォーム

  • 人材領域「ジョブメドレー」

  • 医療機関向けSaaS群

しかし市場からは、

  • 営業利益率がまだ低い

  • 成長投資の回収ペースが見えにくい

  • コロナ後の医療需要の“平常化”リスク

こうした理由で 評価がやや抑制的 になっている。

North Peak にとっては、“成長性は高いのに、株価が割安に押されている”という理想的な投資タイミングに見えたのだろう。

株主構造・市場評価への影響

North Peak のような米系ヘッジファンドが入ると、市場は以下を敏感に読み始める。

■ ① 株価の下値が固くなる

ファンドが価格帯を決めて買っているため、一定価格以下では大量の買い需要が生じる。

■ ② 成長企業に対する外資の評価が可視化

メドレーは“国内投資家が評価しきれていない”という印象が強かったが、海外勢が積極的にポジションを取ることで、認知・評価が改善しやすい。

■ ③ 中期的にはTOBやM&Aの布石になる可能性

North Peak 自身が仕掛ける可能性は低いが、外資の存在感が高まると“買収対象として魅力的”という視点が強まる。

今回の5%取得が示す“日本市場の盲点”

今回のケースは、「日本の成長企業に対し、海外ヘッジファンドのほうが評価が早い」という事実を改めて示している。

  • 国内勢が慎重すぎる

  • 海外勢は指標と成長率で機械的に判断する

  • 割安のまま放置される成長株が多い

こうした構造は、日本市場の慢性的課題だ。

North Peak はその隙を突き、静かに、迅速に、約1.6百万株を積み上げてきた。

これは単なる5%保有ではなく、「成長株の再評価フェーズ」に入ったことを知らせるシグナルと言っていい。

おすすめの記事